こんにちは。おりた内科クリニック おなかとカメラと糖尿病 金沢院の院長、織田です。

私は、地域の皆様に寄り添い、外来診療はもちろん、在宅診療も行える「ライフパートナー」のような存在でありたいという思いから、10月1日に御経塚で内科クリニック開業を予定し準備をすすめています。さらに、地域の健康を支えるために、より身近な形で健康に関するお話や相談を行う場を設け、皆様の健康づくりのお手伝いをしていきたいと考え、地域の集まりに参加させていただいお話しさせていただく地域活動を行っております。

今回は、野々市市本町地区地域包括支援センターの定塚さんにご依頼いただき、2024年8月19日『菅原町健康サロン』(開催場所：菅原町集会所)にて消化器内科である私の専門であるおなかの病気についてのお話をさせていただきました。

　私たちのクリニックでは、病気が進行してから受診するのではなく、軽い症状が出たときに早めに受診していただくことが大切だと考えています。早期発見と早期治療が、健康を守るための鍵です。例えば、胃がんや大腸がんも早期発見できればほぼ100％治せる時代となってきましたが、進行した状態で見つかると、手術や抗癌剤治療などの強い治療が必要となり、今までの生活を維持していくことが難しくなってきてしまうため大きな負担が増えてしまいます。また、病気にならないためにはどのように予防し、健康な生活を維持していくかを一緒に考えていきたいと思っています。そのようなことが伝わってほしいという思いから下記の講演会を行いました。

講演内容：『おなかの症状あれこれ　早期発見のために～こんな症状ありませんか？～』

といった内容でお話させていただきました。

講演概要：

４個のよくある代表的なおなかの症状を提示しながら、症状が生じるメカニズムについて、疑われる病気について、対処方法について具体例を示し質疑応答しながら説明しました。

①上腹部の症状（胸やけ、みぞおちの痛み）：

・主な原因：胃酸の逆流や過剰分泌
・具体的な症状：すっぱいものが上がってくる感じ、胸が焼けるような痛み、げっぷが頻繁に出る、お腹が張るなど
・疑われる病気：逆流性食道炎、消化性潰瘍（胃・十二指腸潰瘍）、食道がん、胃がんなど​​
・診断方法：まずは少しでも不安な症状があればクリニック受診しましょう→胃カメラ検査​を受けましょう

★重要ポイント：胃がんは悪性腫瘍であるため確かに怖いですが、早期発見すれば内視鏡治療や手術によりほぼ100%治せる時代となっているため、まずは胃カメラを受けて早期発見することが重要です。まずはお気軽にご相談ください。

➁黄疸（目や皮膚が黄色い）：

・主な原因：肝臓、胆道、膵臓の病気で胆汁という消化液が詰まることで生じる
・具体的な症状：体がかゆい、おしっこの色が濃い(コーラみたいな色)、体がだるいなど
・疑われる病気：肝炎、肝硬変、肝臓がん、胆管がん、膵臓がんなどの悪性腫瘍に注意​
・診断方法：まずは少しでも不安な症状があればクリニックを受診しましょう→最新鋭の腹部エコー検査をうけておなか全体のスクリーニング検査を受けましょう​

★重要ポイント：おなかの症状があるときにまずは胃カメラを受けることが重要ですが、胃カメラは胃の中の異常しかわかりません。そのほかの肝臓、胆嚢、膵臓などの異常を見つけるには、エコー検査も受けることが重要です

→私は北陸でも珍しい日本超音波医学会専門医の一人で、超音波(エコー)検査が好きで得意としております→痛みのまったくない患者さんに優しい検査ですので、まずはご相談ください

➂体重減少とおなかや背中の痛み：

・主な原因：がんによる体力消耗(癌が隠れている危険サインの可能性があります)
・具体的な症状：ダイエットをしていないのに体重が減ってくる、動くと軽減する腰痛
・疑われる病気：膵臓がん、胆管がんなど​
・診断方法：まずは不安な症状があればクリニックを受診しましょう→まずは最新鋭の腹部エコー検査を受けましょう

さらに、膵臓がんが疑われる場合には、最新の内視鏡を用いた最も膵臓を精密に検査することができる超音波内視鏡検査が有効です​

→私は日本膵臓学会指導医、日本超音波医学会専門医ですので、しっかりした膵臓診察を行います。

まずは健康相談からでもよろしいので、膵臓のご不安があればお気軽にご相談ください

★重要ポイント：いつもと違う腰痛、背部痛には注意してください、特に整形外科を受診して大きな異常がないと言われた場合には、膵臓などの内臓の異常による痛みの可能性がありますので、まず消化器内科に受診してください

④頑固な便秘・血便・下血：

・主な原因：大腸のがんや炎症による出血
・具体的な症状：便が4日以上出ない、最近便が細い・便の形が変、強い腹痛、便に血が混じるなど
・疑われる病気：大腸がん、虚血性腸炎、憩室出血など​
・診断方法：まずは不安な症状があればクリニックを受診しましょう→まずは大腸カメラ検査が基本です

★大腸カメラは痛い、苦しい、受けたくないと思っている方も多いと思いますが、

私は日本消化器内視鏡学会専門医で、現在も金沢大学付属病院で内視鏡検査・治療の技術を向上するよう精進しておりますので、しっかりした技術を用いて、適切に鎮静剤を使用すれば、苦痛を軽減して大腸カメラを受けることができますので、まずはご相談いただければうれしいです。

★重要ポイント：大腸がんは悪性腫瘍であるため確かに怖いですが、早期発見すれば内視鏡治療や手術によりほぼ100%治せる時代となっているため、まずは大腸カメラを受けて早期発見することが重要です。まずはお気軽にご相談ください。

まとめ

よくある４個のおなかの症状について説明しました。これ以外にもおなかに関わるお困りごとがありましたら、まずはお気軽にお声がけください。当クリニックでは『おなかのお困りごと相談外来』もやっていきたいと思っております。

　私たちは、勉強会を通じて病気や健康について学んでいただくことが、地域全体の健康を守り、病気の予防につながると考えています。これからも積極的に地域の皆様に健康についての知識を広める活動を続けていきたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。