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【覚えておこう😊】新鮮なサバのカルパッチョを食べた後の激しい腹痛→寄生虫のアニサキス症
おりた内科クリニック おなかとカメラと糖尿病 金沢院 院長の織田典明です。
今回は、「生魚を食べた後に突然のおなかの激痛」で来院された患者さまのケースをご紹介します。
新鮮なお刺身やカルパッチョを食べた直後の強い腹痛…それは、アニサキス症かもしれません。
①新鮮なお刺身を食べた後の腹痛という病歴は、まずアニサキス症を考えよう
閉院間際に来院された患者さん
「昨日、新鮮なサバのカルパッチョを食べてから、お腹が激しく痛い」との訴えでした。
問診からすぐにアニサキス症を疑いましたが、苦しい時にいきなり胃カメラを行うのは患者さんにとって負担が大きく、アニサキスでない可能性もあります。
そこで当院では、“いきなりカメラ”ではなく、まずは苦痛の少ない患者さんに優しい腹部エコー検査から丁寧に診断しています。
➁エコーで「胃の壁の腫れ」と「虫体らしきもの」を確認
当院の得意とする腹部エコー検査で胃を丁寧に観察すると
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胃壁が著明な壁肥厚している(アニサキスに対するアレルギー反応で腫大する)
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胃内にアニサキスと疑われる糸状の構造物がみえることもある
の2個の所見を確認することができ、ほぼ間違いなくアニサキス症が疑わしいと判断することができました。
ご本人様とも相談の上、鎮静剤を使用して眠りながら緊急胃カメラ検査を施行することとしました。
➂内視鏡で虫体を発見・摘除、痛みも改善!(金沢大学附属病院仕込みの内視鏡技術による異物除去手術)
緊急内視鏡では、著明に腫大し発赤した胃粘膜が確認でき、同部位に突き刺さっているアニサキス虫体1匹を確認することができました。
すぐに生検鉗子(内視鏡の先端から出すピンセットのような処置具)でアニサキスをつかみ除去することに成功、処置後は速やかに痛みも軽減されました。
その後、胃薬と抗アレルギー薬を処方し、経過観察としご帰宅いただきました。
④当院のアニサキス診療:患者さんにやさしい診断フロー
・丁寧な問診
・苦痛の少ない腹部エコー検査
・鎮静剤で眠って受けられる緊急アニサキス除去手術
といった、「患者さんにやさしい診療体制」を大切にしています。
「痛いならすぐ胃カメラ」ではなく、しっかりと診断根拠を大切にして、『患者さんのために必要であるから胃カメラをやる』という患者ファーストに考えた医療を心がけています。
⑤アニサキスを疑ったら、すぐご相談を!
アニサキス症は突然の激しい腹痛を引き起こしますが、正確に診断し、虫体を除去すれば症状は改善します。
「前日に生魚を食べた」「みぞおちが急に痛くなった」
そんなときは、できるだけ早く当院にご相談ください。
当院では、アニサキス症に対して迅速な緊急内視鏡対応が可能です。
まとめ
・サバやイカ、アジなどの新鮮なお刺身を食べた後の激痛はアニサキスかもしれません
・おりた内科クリニックではエコーと内視鏡を併用した安全で正確な患者さんに優しい治療を提供します
・緊急内視鏡も大歓迎ですので、お気軽にご相談ください