下痢
下痢
下痢は、便が通常よりも水分を多く含み、頻繁に排出される状態を指します。一般的には、1日に3回以上の便通があり、便の性状が水様性であることが特徴です。下痢は急性と慢性に分けられ、急性下痢は通常、ウイルスや細菌による感染症、食べ物の影響で急速に発生し、基本的には時間とともに自然に改善することが多いです。一方、慢性下痢は数週間以上続くもので、消化器系の疾患(大腸がん、過敏性腸症候群、炎症性腸疾患、アレルギーなど)や生活習慣(食べ過ぎ、飲みすぎ、刺激の強い香辛料など、おなかを冷やした)、ストレスが関与していることが多く、生活の質に大きくかかわってくる症状です。
下痢には以下のような症状があります。
これらの症状が見られた場合は、まずは当院にお気軽にご相談ください。
下痢の原因は多岐にわたりますが、主なものは以下の通りです。
抗生剤使用による腸内細菌の乱れにより起こる下痢症です。
ペニシリン系の抗生剤が原因となり、下痢とともに腹痛、血便が生じます。
胃抑制薬(PPI)などが原因となることがあります。
鎮痛剤、化学療法薬などでも下痢が生じます。
当院では、下痢の原因を明確にするため、以下のようなアプローチを行っています。
症状の詳細や経過、生活習慣を丁寧に伺い、診断の参考にします。
必要に応じて、血液検査、大腸カメラ検査、腹部エコー検査を実施します。特に、見逃してはいけない大腸がんの診断には大腸カメラ検査が必要であり、当院では日本消化器内視鏡学会専門医・指導医による鎮静剤を使用した苦痛の少ない大腸カメラ検査を提供しております。
下痢の原因に応じて、対症療法(整腸剤や下痢止めなど)や、感染症の場合には抗生物質を使用します。また、脱水が懸念される場合には、点滴による水分補給も行います。
下痢は一見軽い症状に思われるかもしれませんが、実際には大腸がんなどの様々な深刻な疾患が隠れていることがあります。当院では、日本消化器病学会専門医と日本消化器内視鏡学会専門医・指導医が、精密で苦痛の少ない大腸カメラ検査を提供し、下痢の背景にある疾患の有無を丁寧に見極めていきます。
急性下痢の場合は、いわゆる『おなかの風邪』であることが多いです。私たちは、症状に合わせて適切な対症療法薬(腸内細菌を整える整腸剤など)を使用し、患者さんの苦痛を軽減しながら、症状が治まるまでしっかりとサポートいたします。ただし、感染性の下痢においては、実は下痢そのものが体内の原因となる菌やウイルスを外に排出するための防御反応です。そのため、できる限り下痢止めの使用は避けることが望ましいのです。この点についても丁寧にお話しし、患者様にしっかりご理解いただけるよう努めてまいります。
慢性下痢については、長期にわたって患者様の生活の質に影響を与えるため、原因をしっかりと見極め、様々な治療薬から患者様の症状に合った薬剤を共に選び、管理栄養士による実践的な生活習慣改善のアドバイスを含めた治療を重視していきます。「一緒に考えていく診療スタイル」を大切に、患者様と共に下痢改善を目指しますので、まずはお気軽にご相談ください。