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膵臓に関する講演会をしてきました|おりた内科クリニック おなかとカメラと糖尿病 金沢院|金沢・野々市の内科、消化器内科、内視鏡内科、糖尿病内科、内分泌内科

膵臓に関する講演会をしてきました|おりた内科クリニック おなかとカメラと糖尿病 金沢院|金沢・野々市の内科、消化器内科、内視鏡内科、糖尿病内科、内分泌内科

膵臓に関する講演会をしてきました

おりた内科クリニック おなかとカメラと糖尿病 金沢院 院長の織田です。

2024年5月12日 令和5年度日本薬局協励会の石川支部総会という伝統ある薬剤師の先生方の勉強会に参加させていただき、膵臓についての講演会をさせていただきました。

講演内容の概要について記載します。

講演テーマ

本当に怖い膵臓癌のおはなし:早期発見の取り組みから医薬連携まで

自己紹介

織田 典明です。金沢大学医学部を卒業し、複数の病院で消化器内科に従事してきました。この3月まで金沢大学附属病院消化器内科で専門的な内視鏡治療の勉強に励み、今回2024年10月におりた内科クリニック おなかとカメラと糖尿病 金沢院を開院する予定となりました。当クリニックでは、一般的な胃がんや大腸がんの内視鏡検査・ポリープ切除手術だけでなく、膵臓癌や胆道癌の早期診断にも力を入れていきたいと思っておりますので、本日は膵臓癌についてのお話をさせていただきます。

なぜ膵臓癌は怖いのか

膵臓癌は治療が難しく、発見された時には多くの場合進行しています。そのため早期発見が非常に重要です。しかし、現状では膵臓の健診システムが確立されておらず、膵臓を専門とする医師や病院も少ないため、早期発見が難しいのが実情です。

膵臓癌の疫学・診断・治療の現状

膵臓癌は消化器癌の中でも特に怖い癌の一つであり、日本においてはがん死亡数で第4位を占めます。膵臓癌の5年生存率は約8%と非常に低く、難治癌の代表です。現在、がん全体の死亡率は低下傾向にある一方で、膵臓癌の死亡率は上昇しています。

当院が目指す膵臓癌の早期診断について

当院では膵臓癌の早期発見に力を入れていく方針です。以下の取り組みを進めていきます。

①啓蒙活動と情報発信:

・ホームページやブログ、LINE公式アカウントを活用し、膵臓癌に関する情報を広く提供。

・オンライン診療による膵臓相談を実施。

②積極的な検査の実施:

・膵臓癌の危険因子(膵嚢胞、糖尿病の悪化、膵炎、膵臓癌家族歴、背部痛)を持つ患者に対して積極的に検査を行い、定期的な経過観察を実施。

・定期通院中のかかりつけの患者様にも積極的に膵臓検査を実施。

・異常が疑われる場合には、大学病院と連携して精密検査を実施。

③精密医療機器の導入:

・高機能・高画質な腹部エコー検査および超音波内視鏡検査(EUS)を導入し、クリニックで大学病院レベルの膵臓検査を提供。

尾道総合病院の膵癌早期発見プロジェクトの紹介

広島県尾道市の尾道総合病院では、膵臓癌の早期発見に成功し、手術施行率や生存率が全国平均の3倍に達しています。かかりつけ医による膵臓癌危険因子の把握と定期的な腹部エコーおよび総合病院での精密検査の連携がうまくいき、膵臓癌の早期発見につながっています。

これまでの私の取り組みとしては、2019年金沢医療センター勤務時に病院祭での膵臓癌の市民公開講座を担当したり、2019年北國がん基金をテーマ『内視鏡検査を用いた早期膵がん診断の確立および普及』で受賞させていただきました。これらを参考に、当クリニックではより地域に寄り添うかかりつけ医の立場から膵がんの早期発見に向けた取り組みを進めていきたいと思っております。

医薬連携の重要性

膵臓癌の早期発見と治療には医薬連携が不可欠です。医師と薬剤師が緊密に連携し、患者に最適な治療を提供することが求められます。薬剤師の豊富な薬の知識や患者との信頼関係を活かし、膵臓癌の啓蒙活動をともに進めていければと考えています。

おわりに

膵臓癌は非常に怖い癌ですが、早期発見ができれば治療の可能性が広がります。当院では、地域の皆様に寄り添い、不安を解消しながら、膵臓癌の早期診断・治療に全力を尽くします。医薬連携を強化し、地域医療の質の向上に貢献していきます。

以上、講演内容の概略となります。質問も多くしていただき、多くの薬剤師の先生方が膵臓癌に興味を抱かれていることを感じました。

今後もこういった勉強会などで、消化器内科・内視鏡検査に関連する内容や専門とする膵臓癌について情報発信を行い、地域の皆様の健康に寄り添えるように啓蒙活動をしていきたいと考えております。今後ともご指導のほどよろしくお願いいたします。

おりた内科クリニック おなかとカメラと糖尿病 金沢院 院長 織田典明