『膵臓癌から命を守るためにできること ~膵臓ドックの重要性について』について講演してきました|おりた内科クリニック おなかとカメラと糖尿病|金沢・野々市の消化器内科、内視鏡内科、糖尿病内科、内分泌内科

〒921-8801石川県野々市市御経塚1丁目445
TEL:076-227-8110
  • WEB予約
  • WEB問診
  • LINE
ヘッダー画像

『膵臓癌から命を守るためにできること ~膵臓ドックの重要性について』について講演してきました

『膵臓癌から命を守るためにできること ~膵臓ドックの重要性について』について講演してきました|おりた内科クリニック おなかとカメラと糖尿病|金沢・野々市の消化器内科、内視鏡内科、糖尿病内科、内分泌内科

初診の方はご一読ください

こんにちは。おりた内科クリニック おなかとカメラと糖尿病 金沢院の院長、織田です。

 2024年8月9日に金沢西ロータリークラブの勉強会で、膵臓癌の現状と早期発見の重要性、特に「膵臓ドック」の必要性についての講演をさせていただきました。

私は今年3月まで金沢大学附属病院の消化器内科で主に内視鏡診療を担当し、特に膵臓癌の早期発見に力を入れてきました。日本膵臓学会の指導医や日本超音波医学会の専門医の資格も取得しており、この分野での専門性を活かして診療を行ってきました。

膵臓癌は治療が難しく、発見された時には多くの場合、すでに進行していることが多いです。そのため、早期発見が非常に重要です。しかし、現状では膵臓の健診システムが十分に整備されておらず、膵臓を専門とする医師や病院も少ないため、早期発見が難しいのが実情です。そこで、大学病院レベルの膵臓専門診療をクリニックで提供することで、膵臓癌の早期発見に貢献できるのではないかと考え、今回の開業を決意しました。

また、胃がんや大腸がんと同様に、膵臓においても健診や膵臓ドックを受けることの重要性を多くの方に知っていただきたいと考え、地域啓蒙活動にも力を入れています。このような講演会もその一環です。膵臓癌の早期発見に向け、身近なクリニックでの診療が皆さまの健康を守る手助けになることを願っています。

タイトル: 膵臓癌から命を守るためにできること ~膵臓ドックの重要性について~

1. 膵臓癌の特徴とその恐ろしさ

膵臓癌はしばしば「サイレントキラー」と呼ばれる理由は、その初期症状が非常に乏しく、発見された時には既に進行している場合が多いためです。統計によれば、日本における膵臓癌の5年生存率は10%未満と非常に低く、発見の遅れが主な原因です。また、現状では膵臓の健診システムが確立されておらず、膵臓を専門とする医師や病院も少ないため、早期発見が難しいのが実情です。

2. 膵臓癌の疫学・診断・治療の現状

日本のがん統計によると、医療の進歩により全体のがん死亡率は減少していますが、膵臓癌の死亡率は逆に増加しています。2022年には、膵臓癌による死亡数が全体で4位となり、増加傾向が続いています。また、膵臓癌の5年生存率は約8%と非常に低く、予後が厳しい癌の代表とされています。

 膵臓癌は非常に難しい病気ですが、それを克服するためにさまざまな取り組みが進められています。手術技術の向上や抗癌剤治療、放射線治療、免疫治療の発展が急速に進んでおり、また、早期診断の方法も開発されています。これらの進歩により、少しずつではありますが、膵臓癌の予後も改善し始めており、明るい未来が見え始めています。

 膵臓癌の進行過程については、徐々に解明されてきています。膵臓癌は、急に大きく進行するわけではなく、膵臓に危険因子が加わることで、まず約12年かけてごく小さな「癌の芽」が現れます。その後、さらに約7年かけてゆっくり成長し、腫瘍が5〜10mmを超えると急激に大きくなり、周囲の組織に浸潤したり、遠隔転移を起こすようになります。この段階で症状が現れ、検査で発見されますが、すでに治療が難しい状態になっていることが多いです。

そのため、膵臓に不安がある場合や膵臓癌の危険因子を持つ場合は、定期的に膵臓健診やドックを受けることで、早期発見につながる可能性が高まります。

 膵臓癌を早期に発見するためには、いくつかの検査が重要です。腫瘍マーカー検査や腹部エコー、CT、MRIなどがありますが、特に小さな膵臓癌を見つけるには超音波内視鏡(EUS)検査が最も有効です。超音波内視鏡は、胃カメラの先端に超音波プローブが付いており、胃や十二指腸のすぐ裏にある膵臓を近くから詳しく観察できるため、5mm以下の非常に小さな膵臓癌も見つけることができます。この検査を上手に活用することで、膵臓癌の早期発見につながる可能性があります。

3. 当院が目指す膵臓癌診療

「おりた内科クリニック」では、2024年10月の開院に向け、膵臓癌の早期診断に特化した医療サービスを提供します。特に、大学病院レベルの最新医療機器と日本膵臓学会指導医による膵臓ドックが特徴です。この膵臓ドックでは、高性能な腹部エコーや超音波内視鏡検査を活用し、膵臓癌の早期発見を目指します。

糖尿病の発症や膵嚢胞、慢性膵炎、膵癌の家族歴などの危険因子を持つ方には、定期的な検査や経過観察を行い、異常があれば大学病院と連携して精密検査を実施します。

また、ホームページやブログ、講演会を通じて膵臓癌に関する情報発信を行い、地域の方々に膵臓健診の重要性を広めていきます。さらに、LINE公式アカウントを活用して患者とのつながりを強化し、オンライン診療による膵臓の健康相談も提供する予定です。これにより、地域の患者が手軽に専門的な診療を受けられる体制を整えていきます。

4. 膵臓ドック(自費診療)について

日本膵臓学会指導医、日本超音波医学会専門医による質の高い、かつ十分な鎮静剤を使用した苦痛の少ない検査を提供いたします。

●検査内容:

・腫瘍マーカー検査

・ハイスペックな腹部エコー検査

・最新鋭の超音波内視鏡検査

・膵臓の健康相談

・LINE公式アカウント登録による専門医によるフォローアップ体制

・金沢大学付属病院との緊密な連携の提供

まとめ

膵臓癌は確かに恐ろしい病気ですが、早期に発見し適切な治療を受けることで、十分に克服できる可能性があります。膵臓癌の危険因子を持つ方は特に定期的な検査を受けることが重要であり、膵臓ドックを通じて自分の健康状態を把握することが、命を守るための最善の方法です。

「おりた内科クリニック」では、膵臓癌の早期発見に特化した診療を提供し、地域の皆様の健康を支えていきます。ぜひ膵臓ドックをご利用ください。