急性胃炎、胃・十二指腸潰瘍|おりた内科クリニック おなかとカメラと糖尿病 金沢院|金沢・野々市の消化器内科、内視鏡内科、糖尿病内科、内分泌内科

〒921-8801石川県野々市市御経塚1丁目445
TEL:076-227-8110
  • WEB予約
  • WEB問診
  • LINE
ヘッダー画像

急性胃炎、胃・十二指腸潰瘍

急性胃炎、胃・十二指腸潰瘍|おりた内科クリニック おなかとカメラと糖尿病 金沢院|金沢・野々市の消化器内科、内視鏡内科、糖尿病内科、内分泌内科

初診の方はご一読ください

急性胃炎、胃・十二指腸潰瘍とは

胃や十二指腸の粘膜が傷つき炎症を起こす病気です。急性胃炎は浅い粘膜の傷にとどまりますが、損傷が深くなると粘膜がえぐれて潰瘍ができ、さらに重症化すると消化管に穴が開く(穿孔する)ことがあります。この場合、緊急手術が必要になることもあります。これらの疾患は、食事や日常生活の影響による胃酸過多、ピロリ菌感染による慢性的な炎症、粘膜障害を起こす解熱鎮痛剤や血液をサラサラにする薬剤などにより引き起こされることが多く、適切な治療を行わないと慢性化したり、胃がんの危険性も増加するため、消化器内科の専門医と相談し、早期の治療と継続的なケアを受けることが重要です。

急性胃炎、胃・十二指腸潰瘍の症状(このような症状があるときは相談を!)

急性胃炎や胃・十二指腸潰瘍の主な症状は次の通りです。

痛みの部位

上腹部、特にみぞおち付近に痛みを感じます。痛みは鈍い場合もあれば、鋭い痛みとして現れることもあります。

痛みの特徴

  • 空腹時や夜間に悪化することもあります。
  • 胃酸の逆流が原因で、胸焼けや胃もたれを伴うことがあります。
  • 食事後に症状が悪化する場合もあります。

その他の症状

吐き気、嘔吐、食欲不振、黒色便(消化管出血が疑われるため、特に緊急の胃内視鏡検査が必要となります)などが見られる場合もあります。

急性胃炎、胃・十二指腸潰瘍の原因

急性胃炎や胃・十二指腸潰瘍の発症には、以下のような要因が関与します。

1.ピロリ菌感染

ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ菌)は胃の粘膜に感染し、慢性的な粘膜炎症を起こし、潰瘍および胃がんの原因になります。そのため、除菌治療をすることで、胃・十二指腸潰瘍や胃がんの危険性を下げることが期待できます。

2.ストレス

過度な精神的・身体的ストレスは胃酸の分泌を増加させ、粘膜防御機能を低下させます。これが急性胃炎や潰瘍の引き金となることがあります。

3.薬剤の影響
  • 解熱鎮痛剤(例:ロキソニン、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、市販の風邪薬など)
    これらの薬剤は胃の粘膜を保護するプロスタグランジンの分泌を抑制し、粘膜が損傷を受けやすくなります。
  • 抗血栓薬(例:いわゆる血液をサラサラにする薬、アスピリン、ワルファリンなど)
    胃酸の影響を受けやすくするため、粘膜が傷つきやすくなり、出血しやすくなります。
  • ステロイド薬(いわゆる特殊な自己免疫性疾患やアレルギー疾患で使用する免疫を抑える薬) これらの薬剤は胃の粘膜の血流を障害し、粘膜が損傷を受けやすくなります。
4.食生活や生活習慣

アルコールの過剰摂取、喫煙、暴飲暴食、カフェインの多量摂取、激辛香辛料なども胃酸分泌を増やし、潰瘍のリスクを高めます。

急性胃炎、胃・十二指腸潰瘍の診断

詳細な問診と身体診察

消化器内科の専門医が詳しく診察を行うことで、おおよその原因を推定することができます。また、当クリニックでは、日本超音波医学会専門医による患者様に負担の少ない腹部エコー検査を実施しています。この検査により、腹痛の原因をさらに詳しく評価し、必要に応じて追加の検査を判断することが可能です。

胃内視鏡検査

胃や十二指腸の状態を直接確認できる最も有効な検査です。胃カメラ検査にて、ピロリ菌感染に特徴的な炎症所見が見つかれば、ピロリ菌感染検査も同時に行うことができます。また、潰瘍は胃がんや悪性リンパ腫といった腫瘍が隠れていることもあるため、生検検査という組織を採取する病理検査に提出することで、正確な診断を下すことができます。
さらに、黒色便など胃や十二指腸からの消化管出血が確認されれば、その場で内視鏡を使って止血治療(内視鏡的消化管出血止血術)を行うことができます。当クリニックでは、金沢大学附属病院などで内視鏡技術を修練してきた日本消化器内視鏡学会専門医・指導医が安全かつ迅速に適切な内視鏡検査・治療を行い、できる限り患者様が苦痛なく検査を受けて頂けるように対応しております。

血液検査

黒色便などの消化管出血を疑う症状や貧血症状(めまい、ふらつきなど)があれば、院内迅速血液検査にて10分ほどで貧血の評価を行うことが可能です。

急性胃炎、胃・十二指腸潰瘍の治療

1.薬物治療

プロトンポンプ阻害薬(PPI)

胃酸の分泌を強力に抑える薬は、炎症や潰瘍の治癒を促進する効果があります。
中でも、現在広く使用されているタケキャブ(一般名:ボノプラザン)は、服用後わずか3~4時間で効果を発揮する即効性の高い薬です。そのため、胃酸をしっかりと抑え、症状を早く改善する目的でよく処方されています。この薬剤を使用することでほぼ治すことが可能ですのでご安心ください。
胃・十二指腸潰瘍の治療では、通常1~2カ月の内服治療を続け、その後、潰瘍が治癒しているかを確認するために胃カメラで再検査を行います。治りが悪い場合、胃がんが隠れている可能性があるともいわれています。そのため、患者様に安心していただくためにも再検査は重要です。この点についてご理解いただけますと幸いです。

ヒスタミンH2受容体拮抗薬(H2ブロッカー)

胃酸分泌を抑制する別の選択肢となる薬剤です。PPIより効果が弱いですが、PPIが使用困難な患者様に使用することがあります。

粘膜保護薬(レバミピド、ムコスタなど)

胃粘膜を保護するために、軽い胃炎程度の場合には使用することがあります。

2.除菌治療

ピロリ菌検査が陽性で胃・十二指腸潰瘍の原因がピロリ菌である場合には、抗生物質2種類とPPIを併用した除菌治療を行います。それにより、潰瘍の再発を予防することが可能となります。

3.生活習慣の改善

患者様の生活習慣や日常の過ごし方について詳しくお伺いし、改善に向けて一緒に考えていきます。無理なく取り組める方法を見つけるため、寄り添ったサポートを心がけています。

具体的には以下のようなアドバイスを行っています:

  • 胃酸分泌を増やす脂質の多い食べ物、アルコール、カフェイン、激辛の香辛料を控える
  • 喫煙を控える
  • 栄養バランスのとれた食事と十分な休息を心がける
  • 原因が解熱鎮痛剤や抗血栓薬の場合は、必要に応じて休薬や、胃に優しい薬剤への変更を検討します。また、予防としてPPI(胃酸を抑える薬)の使用が適切かについても専門的なアドバイスを行います。

患者様一人ひとりに合った改善策をご提案しますので、安心してご相談ください。

専門医からのアドバイス

風邪を引いて発熱したときや、整形外科で腰痛や膝痛の治療を始めた際に、市販の解熱鎮痛剤(ロキソニンやイブなど)や風邪薬、痛み止めを服用した直後からみぞおちに痛みを感じる場合は、急性胃炎や潰瘍の可能性があります。このような症状があれば、早めにご相談ください。

また、原因にピロリ菌が関わっている場合、除菌治療を行うことで胃や十二指腸潰瘍の再発を防ぎ、さらに胃がんのリスクを低下させることができます。そのため、ピロリ菌検査を受け、必要に応じて除菌治療を行うことを消化器内科専門医として提案いたします。

さらに、腹部の症状の背後に胃がんが隠れていることもあります。お腹の不調が続く場合や気になる症状がある場合は、胃カメラ検査を受けて原因をしっかり確認することが大切です。当院では、強力な胃酸抑制薬(PPI)を使用した治療も可能ですので、安心してご相談ください。

お腹の不調やお悩みがある際は、ぜひお気軽に御相談ください。