機能性ディスペプシア
機能性ディスペプシア
機能性ディスペプシア(Functional Dyspepsia:FD)は、明らかな胃潰瘍や胃がんなどの器質的な(目に見える)病変や疾患がないにもかかわらず、胃やみぞおちに慢性的な不快感や痛みなどの『おなかのお困りごと症状』が生じる病気です。この疾患は、胃の働きや感覚の異常が原因と考えられており、日本を含む世界中で非常に多くの人々が悩まされている『おなかのお困りごと症状』を引き起こす機能性消化管障害の代表的な病気です。
症状は、食事後に胃がもたれる、食欲がわかない、みぞおちが痛む、胃が重いなどいわゆるおなかの不調症状として多岐にわたります。一見、胃炎や胃潰瘍、胃がんなどの病気と似た症状を呈しますが、内視鏡検査や血液検査などで異常が見つからないことが特徴で診断に重要となります。
機能性ディスペプシアは、胃の不快感や痛みが続くことで、日常生活に支障をきたすことがあります。例えば、食事を楽しめなくなったり、集中力が落ちたり、仕事がうまくいかなくなったりするなど日常生活を乱す原因となりえます。長く続く症状をうまくコントロールしうまく付き合っていくことが大切であり、適切な診断と治療を受けることで、症状を和らげ、普段の生活を快適に過ごせるようになりますので、まずは当院にお気軽にご相談ください。
機能性ディスペプシアの症状は多様であり、以下のような症状が現れる場合には機能性ディスペプシアを疑うことができます。
食事をした後に胃が重く感じたり、消化が遅いような感覚が続く。
食事量が少ないにもかかわらず、すぐにお腹がいっぱいになる。
空腹時や食後にみぞおち付近に痛みや不快感が生じる。
胃が張った感じがしたり、吐き気を伴うことがある。
胃の不快感が原因で食欲が低下し、体重が減少することもある。
夜間の不快感や痛みによって睡眠が妨げられ、疲労感が増すことがあります
週末や休日には症状が軽減されることも機能性ディスペプシアの特徴です。
これらの症状が2週間以上続く場合は、機能性ディスペプシアが疑われます。
機能性ディスペプシアの原因は完全には解明されていませんが、以下の要因が関与していると考えられています。
・適応性弛緩機能の低下:胃が広がりにくく、食物を胃の中にためることができない
・胃排出能の低下:消化した胃内容物を腸の方向へうまく送り出す排出せない
・胃の知覚過敏性の亢進:胃が通常以上に刺激に対して敏感になることで、わずかな食事や胃酸が症状を引き起こすようになる。
精神的ストレス、不安、抑うつ状態が症状を悪化させることが知られています。職場や家庭での慢性的なストレスが誘因となることもあります。
ピロリ菌感染が関与する場合があります→ピロリ菌の除菌治療で症状が改善する可能性があります。
不規則な食事、高脂肪食、暴飲暴食、アルコールやカフェイン、激辛の食べ物の過剰摂取、喫煙などが原因となります。
家族に消化器症状を持つ方がいる場合、遺伝的要因が関連している可能性があります。いわゆる『生まれつきおなかが弱い』ため体質と考えていた方は実はこの機能性ディスペプシアであった可能性がありますので、一人で悩まずに、まずは当院へお気軽にご相談ください。
機能性ディスペプシアを診断するためには、他の病気を除外することが重要です。当院では、以下の検査を行い、正確な診断を行います。
・症状の詳細や持続期間、生活習慣、ストレス状況について丁寧に問診します。
まずは胃や十二指腸に炎症や潰瘍、胃がんや食道がんなどの目に見える異常がないかを確認し、器質的疾患を除外します。
当クリニックでは、『金沢大学附属病院で高度な内視鏡治療を学んだ日本消化器内視鏡学会専門医・指導医による鎮静剤を用いた苦痛の少ない胃カメラ検査』や『おえっとなりにくい極細の経鼻内視鏡検査』を提供していますので、安心して胃カメラ検査をお受けください。
胃カメラ検査でピロリ菌感染が疑われた場合には、負担の少ない尿検査、呼気検査、血液検査、便検査などでピロリ菌感染の有無を調べます。ピロリ菌陽性の場合にはピロリ菌除菌治療を行うことで症状の改善が得られる可能性があります。
胃カメラ検査では胃・十二指腸などの消化管の中の評価しかできないため、その他の腹部の臓器(膵臓、肝臓、胆嚢、胆管、腎臓、小腸など)に異常がないかを確認します。当院では日本超音波医学会専門医が専門的な腹部エコー検査を担当します。
必要に応じて貧血や炎症反応、腫瘍マーカーなどを調べることで、他の疾患を除外します。
機能性ディスペプシアの治療は、薬物療法と生活習慣の改善を組み合わせて行います。当院では、患者さま一人ひとりに合わせた治療プランを寄り添って一緒に考えながら提供します。
2013年胃の運動機能を調整する機能性ディスペプシアの適応薬アコファイドが承認され、劇的に機能性ディスペプシアの症状を和らげることが可能となりました。まずは、アコファイドの使用を検討します。
胸やけ症状が強い場合には、胃酸の分泌を抑え、胃の不快感や痛みを軽減します。
ストレスや心理的要因による症状が強い場合には使用を検討します。当院では患者様のご不安やお困りごとに寄り添ってお話を聞きながら一緒に使用を考えていきます。
症状や体質に応じた漢方薬(六君子湯など)を処方することがあります。
機能性ディスペプシアとうまく付き合っていくには生活習慣の改善が不可欠です。定期通院いただきながら、一緒に考えていきましょう。
・規則正しい食事を心がける。
・食べ過ぎや脂肪分の多い食事、激辛物、を控える。
・お酒の飲みすぎやカフェインの摂取を減らす
・禁煙を実施する。
・ストレス管理、適度な運動、適度な休息、規則的な睡眠習慣
長い間、「胃の不調は体質やストレス、性格のせい」とあきらめていませんか?もしかすると、それは「機能性ディスペプシア」という、胃の働きが弱くなる病気かもしれません。この病気は診断や治療が難しい場合もありますが、胃カメラや腹部エコーなどの検査を行うことで、適切な診断することで適切な治療を受けられる可能性があります。当院では、一人ひとりの症状に寄り添いながら、症状の改善に向けた方法を一緒に考えていく「おなかのお困りごと相談室」外来を行っています。まずは、お気軽にご相談ください。
当院では、患者さまに大きな利益をもたらす治療を目指し、以下の強みを提供しています。
当院では、金沢大学附属病院で高度な内視鏡治療を学んだ日本消化器内視鏡学会専門医・指導医が診療を行っています。鎮静剤を用いた「苦痛の少ない胃カメラ検査」や「おえっとなりにくい極細の経鼻内視鏡検査」により、患者さまの負担を軽減した検査を提供しています。さらに、日本内科学会総合内科専門医として、消化器疾患だけでなく全身を総合的に診る能力を活かし、おなかのお困りごと症状に対して適切な問診を行い機能性ディスペプシアを診断し、適切な治療につなげます。
副院長は薬剤師免許を有しており、院内では2人主治医制の体制を整えています。このため、患者さま一人ひとりの病態に応じた薬剤提案を寄り添って相談しながら行っていきます。
機能性ディスペプシアの治療において、薬物療法は重要な柱ですが、それだけでは十分ではありません。生活習慣の改善が症状の根本的な軽減には欠かせません。当院では必要に応じて管理栄養士による丁寧な食生活指導を行い、患者さまに寄り添ったサポートを提供しています。たとえば、食べる量やタイミング、避けたほうが良い食品など、個々のライフスタイルに合わせたアドバイスを行います。
機能性ディスペプシアはうまく付き合っていくことが必要な病気のため、患者さまに寄り添いながら一緒に相談しながら治療内容を考えていきます。治療経過や治療効果をこまめに確認し、必要に応じて相談しながら患者さまに合った治療内容を調整していきます。
上記な当院ならではの強みを活かして、機能性ディスペプシアで苦しむ患者さまに寄り添った診療を提供していきますので、まずはお気軽にご相談ください。